2020オリンピック開催と汚染水処理問題
オリンピック2020の開催地に東京が決定したってのには、改めて驚いた。まさかとは思っていたけど、スポーツ団体と目先の欲に駆られた政治権力の野合によってここまで思慮の浅い判断が下されるとは、いまさらながら愚衆支配に委ねられている現代文明の行く末にやり場のない絶望を感じる。
そんなこと言って見ても今さら手遅れなんだけど…、当面の問題は汚染処理にどんな解決策を提示し得るかだろう。向こう1年以内に大方の了解を得る方針が打ち出せるかどうか(国内世論を言いくるめる手法では通用しない)。危惧するのは、この時点で開催地返上ないし開催中止にでもなれば、「1940年の悪夢」再来ということになる。
そこで、どんな手があるかを考えてみた。
① まず、使用済み核燃料貯蔵プールに大量の水を注入した緊急時対応はやむを得なかったとして、これを今後の何年、何十年、何百年と継続するのか? その分だけ、汚染水は増加の一途。
やがて汚染した貯水タンクは東電の敷地を越えて果てしなく拡張。その占める面積がどんな速度で増えていくか? これはスーガクの問題ではなく、サンスーの問題でしょう。
② 貯水タンクの漏水問題。これは尖端科学技術の問題ではなく、…とはいえ、これは喫緊に直面する問題ではあり、しかもこの方式は明日にも破綻する。もう、破綻している。では別の方策ってありますか? 無いだろー、そこが問題なのだ。
③ で、使用済み燃料プールに大量の水を注入しつづけるのではなく、冷蔵庫と同じ方式でプール内に冷却管を挿入して冷やすってできないの? 現在、それほど水温度は高くないように思いますが? これってマンガ的(鉄腕アトム的?)発想なのかなー? 今のところ、ワシの頭はこの程度しか思いつかない。だったら、未来永劫に近く水を注入し続けるのだろーね。とすると、①に逆戻りします。
④ 水の大量の注入方式から逃れられないとして、そこから生じた汚染水をそのまま保管する(´Д`)。これはサンスー的にダメ。目下、「汚染水濃縮装置」が稼働を中断しているそうだけど、そのまま放置ですか? 単純な発想だけど、ウイスキー醸造装置のお化けみたいな施設を作って、水蒸気だけ大気中に放出する算段は取れませんか(これもマンガ的だと言われそうだが)? この方式では放射線物質も水蒸気と一緒に飛んでっちゃうの? 現状でもそういうこと? じゃあ無限に汚水タンクを増やして行けば、それだけ水の蒸発量も増加するわけだから、これもサンスー問題(タンク製作業者は永遠に受注を確保。ケーザイとしては得策、ケー団連にんまり)。どっちに転んでも、水のまま保管するってのはダメじゃん。汚染物質除去フィルターの話はどうなったんだろう。この問題を子々孫々の世代に相続やむなしとするにしても、大量の水のまま残すわけには行かない。兎に角、濃縮して保管する以外にないんだけど…(*゜д゜*)
⑤ で、「汚染水管理を完全にコントロールできている」と言う方も言う方だけど、これを真に受ける神経が大方を制する集団って何? ま、この問題の最終責任は、政治家やケーザイ界、エセ科学者の頭上を越えて、日本民族がその集団ごと世界に対して負わなくてはならないことになる。
まあ、それは兎も角として、フクシマ原発周辺を凍土による防護壁でで囲うという発想が提示されている。発想としてのダイナミズムには興味があるけど、技術的にそれが実現したとして、氷って結構それ自体に新陳代謝があるんでねーの? いわんや「凍土」には相当不純物質が含まれるハズ。ムギワラとか、アスベストとか…。その外いろいろな問題をクリアし、完璧な防護壁が構築し得たとして、それは地下何メートルまで到達するんだろーか? まさか数10メートルでお茶を濁すんではないんだろーな。で、その建設工事にはどれだけの歳月を要するのか。それが完成のあかつきには、永遠に電力を供給して冷却し続けるのか? そのためには原発の再稼働が必須だという論法(ケーザイ界にんまり)だろーが、この問題を子々孫々の世代に相続。
⑥しかし、問題はこれだけでは全く解決しない。防護壁が底なしでは何ーんにも解決しないのだ。どんなに頑強な擁壁を構築しても底抜けではダメ。地下水問題が残ってしまう。「完璧」な防護壁には、同じ性能で底を付けてやらなくてはならない。
日本の国土は、どこでも大量の地下水が流れている。15年ほど以前、JR武蔵野線新小平の半地下駅が大雨の後、地下水圧に押されて浮き上がってしまったことがある。そのために半年近く武蔵野線は不通を余儀なくされたではないか。いわんや沿岸地域での地下水流問題は「染みこむ」「漏れる」とかいうレベルの話ではないのだ。地下には川が流れている! この問題を土木関係者が指摘しているという話を聞かないけどどうなっているのだ、ダンマリか? 学会誌などにはそれなりに掲載されているのかもしれないが、翼賛マスコミがそれを無視?
⑦ 底なし擁壁ではそれ自体意味が無い。では底を付けたら良いじゃないか、と言われる向きもあろうが、メルトダウンした原子炉の直下に工事人が入るの? ロボットに任せようって? それでめでたく底が完工したとしよう。大雨で浮き上がったらどうする? 難しい問題は無限にある。
⑧ どうやって工事を実施するかは兎も角として、中華鍋のように球体の一部を切り取って、そこに原発施設をそっくり掬い取るような「完璧」な防護構造体を作ることは可能だろう。「世界中の衆知を集合して」という話もあるが、この程度のことなら準日本の科学技術で実現可能だ(数百本のスカイツリーを同時に作る程度の技術で可能なのかどうかは知らぬが)。ただその「完璧」な遮断性能がどれだけの期間、性能保持し得るのかは不明。この問題は次世代に負の遺産として申し送るしかない。
この点に、我がニッポン民族の財力、知力を結集しなくてはならないが、だからといって福島県を中核とする汚染地域住人への支援を怠ることは許されない。この問題だって、今後はより厳しく国際的なチェック態勢の目に曝されること疑いなし。
⑨ 過去の「歴史問題」の範疇では(現在でも?)、戦争で多くの犠牲者が生じたら「神さま仏さま、ごめんなさい」と懺悔すれば、それなりに許してもらえる余地があったような気がするが、この原発問題は「神仏の管轄外」にある。遅からず人類は神仏共々周辺の生物を巻き添えにして、滅亡のスパイラルに落ち込む確率が高くなった。
地球上の生物は、ある種の微生物のみがかろうじて生命維持していくのかも知れないが、再び人類に似た「知的」生物が発生するに至るのは、遙か◎億年先の話になるのだろーか。
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