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July 2008

2008.07.27

対決・巨匠たちの日本美術

またもや直子さんの好意で頂いた切符を手に、
「対決・巨匠たちの日本美術」展(於:東京国立博物館平成館)を観に行く。
猛暑下の7/24である。
ほとんどショウバイ絡みの展覧会なら仕方なく観に行くけれども、
こんな日本美術関係の展覧会に出かけていくのなんて何年ぶりだろうか?
10年以上前なら、奈良や京都の博物館を訪れるチャンスもあった。
学生さんを引率していった分けだからこれもショウバイ絡みか。
となると、個人的に「日本美術」を観賞に出かけたのは、いつが最後だったか?
思い出さないくらい昔、ひょっとすると学生時代だったかも知れない。
あの頃は、小杉一雄とか安藤更生とか、いわゆる碩学に接して美術史を学ぶという、
とてつもない環境にいたのでそれなりに「日本・東洋美術」の話題については興味を抱いていたなー。
でもその道の専門家にはならなかった、というかなり損ねた。
だから久しぶりなのだ。
この間、書物などで「何とか日本美術論」みたいなものに接して、
図版のみで最近の話題が那辺にあるかを知る機会はあっても、
いわゆるお宝拝見に足を運ぶことは絶えてなかった。
ところでこんな猛暑の中、博物館はさぞガラ空きであろうと期待して行くも、さにあらず。
会場は善男善女でゴッタ返していた。
みなヘッドギアみたいなアヤシイイヤホーンを被ってその指示に従い、
巡礼団よろしくぞろりぞろりとゆっくりした歩調で歩んでいく。
まいったなー、これはアサヒ教の信者団体か? 
このようなお方々の流れに飲み込まれることなく、私は若冲と蕭白だけをしっかりと拝見。
だってこんなの昔の美術史学徒には観る機会がなかったもん
(若冲に関しては、期待する絵柄と異なっていて、それだけに別の発見があったけど)。
でもさあ、この両者って、やっば素人絵描きだね。
こうして実物を観ると障壁画になっていないですよ。
こういうモノを受け入れていた当時の振興京都町衆(かどうか知らんけど)の
生活意識研究をやったら面白いと思うし、もうそんな本があるんでしょうね。
ところで、この企画って持てる者の悩みっていうのかなー。何を目論んでいるのか真意が解らん。
とりあえず、お宝を全部見せようってか?
善男善女たちはこの展示を観て、いわゆる「日本美術」の何を了解するのだろーか。
何が何だか分かんないままに、単にセンセーショナリズムに巻き込んでしまって、どーしようっての? 「お前は、イヤホーンを掛けないから悪いんだ。
この声を聞いて従順に従えば、有難ーい深遠な日本美術に目覚めるのだ」
と言われては返す言葉もないので自分ではこれ以上は言わない。
一休みしていると、横でケータイを振りかざしてガナリ立てている男一匹。
「日本美術は、マチスもピカソも越えたよ! 俺はこの対決展を観て、
いままでの人生観がひっくりかえってしまったね。
あんた、これを観に来ないんならもう日本人やめなさい。雪舟が5点、雪村が6点もあって対決するんだぞ! 1点づづの対決なんてもんじゃねーんだ。すげーんだぞ(数の問題かなー?)」。
兎に角「すげーっ」てことは分かったけど、結局、彼がどう日本美術に遭遇したかは分からなかった。けど、事大主義的心情はしっかり植え付けたようですね。
かつて、日本の歴史的絵画を一堂に集結させて、
「センソー美術展」とやらいう大展観を催したのは、誰だったっけ? 何処だったっけ?

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