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June 2008

2008.06.29

上野浅草フィルハーモニー管弦楽団第44回定期公演(9/29)

場所は浅草公会堂。3階席最前列のかぶり付きで聞く。
ブラームス3番とエルガーのエニグマ変奏曲がメイン。
だいたい何で3階席かというと、
この管弦楽団はアマチュアの団体。
去年、武蔵美通信が短大だった頃の学生さんの一人
松沢昌子さんと雑談した折り、
彼女がビオラ弾きだと知ったことに始まる。
それで、上野浅草フィルに籍を置いていて
定期公演があるけど、来ますか?と言われた。
「行く、行く」とは言ったものの
「上野浅草フィル」なんていかにも名前がおどろおどろしい。
それでラフマニノフのピアノコンチェルトをやるなんて
なお恐ろしいことをおっしゃる。
だがら、実はヤバかったらそっと途中で逃げ出せるように
3階席から遠目に見ていようと企んだんだよね。
ところがこれがイかったの。
ラフマニノフのピアノもばっちしで
第一、浅草公会堂の3階席の音響が素晴らしい。
時々浅草公会堂の音が良いといったような
噂を聞いたことがあるような気がするけど
ほんとにあそこは音が良い。
3階席なのに鼻先で演奏しているように聞こえるし
自分の拍手が大きく響いてびっくりするような会場だ。
それでもって
今どきのアマチュアオケのレベルなんて
知る由もなかったけど、これって本当に素人楽団?
で、今回の定期公演にまた勇んでお出かけしたって訳。
国立から秋葉原まで行って、そこからつくばエクスプレスで2駅。
意外にすんなり行ける。
開演15分前には前舞台で弦楽五重奏が軽く演奏サービス。
ジャズっぽいけど、ミヨーかなにかかしら。
いかにも浅草だなー、ノリが良い。
演目の最初は、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」序曲。
なんでいまごろこれをやるかなー。
これってほんとはクリスマスの定番オペラね。
そういえば、1982年にミュンヘンに滞在していた際、
子供を連れてこのオペラを観に行ったね。
肝心の子供はメーワクそうだったけど
「そんなのカンケーネェ」
クリスマスをドイツで過ごすんだもの
これを観ないわけにはいかなかった。
それにしても、上野浅草フィルの演奏の方が良いよ。
編成もちょっと大きいのかも。
そしてブラームス3番。これが聞けるのですね。
この曲、以前都立青山高校のOBのオケが演奏するってので
聞きに行ったことがある。
人見記念講堂だったから会場は一流。
指揮は札響のオーボエ奏者高井明氏が担当(僕のイトコね)。
都立青山高校のOBだけでオケが組めるってのも驚きだが
指揮者も青山出ってわけでした。
で、これはいかにもアマチュアらしく、ヨレヨレのブラームス。
まあ、よく終わりまでたどり着いたという演奏で
達成感があるのは演奏者たちだけというシロモノ。
やりたいって気持ちは解るような気がするけど
あんまり周囲を巻き込まないでね。
聴衆の方は肩がバリバリに凝ってしまった。
ところが上野浅草フィルの方は結構楽しめる。
泣き所もしっかりとしめた演奏。
むかーし、日比谷公会堂で日本放送交響楽団(N響の前身ね)
の演奏を、多分、近衛秀麿かなんかで聴いたことがあるけど
これってもっとヘタだったよなー。
いまのアマオケってどうなってんの?
だいたいどこでもこんなものなんですか?
だったら変に高い金払ってプロオケ聞きに行くことはないですねー。
それとも、上野浅草フィルが巧すぎるの?
エルガーのエニグマ変奏曲は最高でした。
多少ヨレたって、却ってナマの味ってやつですね。
アマがエルガーを演奏する時代なんだなー。
ちょっと以前までは、
疑似国営放送でも、いかにもエラソーな口ぶりで
「イギリスにはロクな作曲家は居ない。
エルガーなんて言う通俗作曲家がいるだけだ」
なんてほざいているモーロク解説者がいたなー。
僕なんて、素直だから結構長い間それを信じていたけど。
あのモーロクジジーはまだやっているのかなー。
いや、このエルガーは堪能しました。ありがとー。
こんなレベルで演奏する市民楽団が成立するなんて
時代も変わったなー。浅草だからなのかなー。
この状況を支えるのはやはり町方の力ってものですね。
うん、たとえ戦争なんかが勃発しても
音楽を演奏し、それを堪能する民衆が居るってこと?
もしかして魯鈍な疑似国粋主義者が
我々の政治を簒奪する局面がないとはいえない今日この頃
音楽だけは、市民の手中で慈しんでいきたいですねー。

アンコールでは、きっちりと「威風堂々」をやったけどね。
よかったっすよ。

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