海外日本食認証制度って?
農林水産省による「海外日本食認証制度」って! マジ? とうとう事態はそこまで来たか。
東京って、世界の味が賞味できるって豪語する都市だけど、東京で現地食をそのまま提供したら、まず客は寄り付かないよね。本場物とは似てもにつかないアフリカ料理だとか、ネパール料理だとか。これが結構おいしいの。イタメシとかフランス料理とか言って、「本場直輸入」を真に受けてその気でいただいちゃっているけど、これだって巧妙にジャパナイズしなくては本邦は受け入れない。中華料理だってそうですよね。本場の中華料理はゴメンだという人が結構いっぱいいます。いまやラーメンもギョーザも立派な「和食」でしょ。
これだけアヤシイ世界各国料理を創作謳歌しておきながら、海外日本食の現状に憂いを抱くって、誰れがー。あんた誰れー?
歴史的にかなり認定されている(といわれることが多い)フランス料理だって中華料理だって、「ではどこんとこが正統なの?」と聞かれれば、それは難しい質問だろーね。いわゆる「学問的」にはナンセンスに属する質問かもしれない。いわんや「和食」の定義をしようと思ったら、エライコトになるんじゃないですか? 僕だって日本におぼろげながら独特の食文化があることは認めたいけど、これって捉えどころがなかなか見つからないところが特徴といえば特徴かしら。いわゆる高級日本料理店が供する「本格和食(あんまり喰ったことねーけど)」だって、本当の伝統食を出していたら今の客は寄りつかないよね。日々移ろっていく客の嗜好を敏感にキャッチして工夫を怠らない。ということは、洋食中華その他を問わずあらゆる料理法からの引用を余儀なくされているってことだ。つまりここで「正統」を問えば、なにもかも和食ではありませんということになりかねない。
トンカツ、コロッケ、カレーライス……。これって和食? でも洋食じゃねーだろー。なんだか分かんねーから「海外日本食非認証」って分け? そりゃー無茶ってものよ。それこそ本邦の食文化構造を根本から冒涜することになんねえかなー?
醤油をかければ和食。ソースかければ洋食。マヨネーズかければ地中海料理?
見当はずれな攘夷政策を打ち出して顰蹙を買わないで欲しいんだよね。
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